森口華弘について
森口華弘(もりぐち かこう)は明治から平成にかけて活躍した染色家です。重要無形文化財「友禅」の保持者(人間国宝)としても広く知られています。
森口華弘は、1909年滋賀県野洲郡守山町に三男として生まれ、幼き頃は小柄で病弱でした。小学校卒業後は、親戚が営む薬店で奉公しながら薬剤師を目指し勉強に励みますが、専門学校に進学する金銭的余裕がなく薬剤師になることを諦めます。
森口華弘が友禅の道に進んだのは1924年の16歳の頃でした。京友禅師3代目「中川華邨」に師事し、日本画は「疋田芳沼」より学び、寝る間も惜しみ修行に励みます。1939年には独立し、京都市中京区衣棚小路に工房を構えます。独立後は友禅を扱っている大手の安田商店の仕事を引き受けるようになり、1941年に安田商店が設立した友禅工芸会社の取締役技術部長となります。
その後1950年代に入ると、1955年には第2回日本伝統工芸展で朝日新聞社賞、56年には第3回日本伝統工芸展で文化財保護委員会会長賞を受賞するなど、輝かしい成績を多数収めます。1955年には日本工芸会の正会員となります。
1967年には重要無形文化財「友禅」保持者(人間国宝)に認定され、1971年になると紫綬褒章を受章し、1982年には勲四等旭日小綬章を受章します。
略歴
1909年 | 滋賀県野洲郡守山町に生まれる |
1924年 | 16歳の時、京友禅師3代目中川華邨に師事 |
1936年 | 林智恵と結婚 |
1939年 | 独立し京都市中京区衣棚小路に工房を構える |
1941年 | 友禅工芸会社の取締役技術部長となる |
1942年 | 第1回個展開催 |
1955年 | 第2回日本伝統工芸展で縮緬地友禅訪問着「早春」が朝日新聞社賞を受賞 |
1955年 | 日本工芸会の正会員となる |
1956年 | 第3回日本伝統工芸展で友禅訪問着「薫」が文化財保護委員会会長賞を受賞 |
1958年 | 第1回個展を開催 |
1967年 | 重要無形文化財「友禅」保持者(人間国宝)に認定 |
1971年 | 紫綬褒章受章 |
1982年 | 勲四等旭日小綬章受章 |
2008年 | 死去。享年98歳 |