尾形乾山の買取価格は高額です

尾形乾山について

尾形光琳を兄に持つ尾形乾山は、画家としての教育はもとより、早くから本阿弥光悦に師事し作陶の基本を学んでいたといわれています。そうした光悦との縁もあって紹介されたのが、江戸時代前期の名工・野々村仁清でした。乾山は仁清のもとで本格的な作陶修行を積み、37歳のときに鳴滝泉谷（京都市右京区山間部）で開窯。以降、作陶家として生計を立てていくことに。それは乾山が37歳のときでした。

本名は惟充、通称は権平、号は深省と名乗っていた乾山。鳴滝泉谷が京の都の北西にあたる乾の方角だったことから、号を乾山と改めます。48歳のときには鳴滝の窯を閉じ、二条丁子屋町（現在の京都市中京区）を中心に新たなスタイルを展開。乾山の手がけた器に兄・光琳が絵付けするという兄弟合作を数多く誕生させませした。後年は江戸を拠点としたほか、晩年には下野国（現在の栃木県）・佐野で作陶生活に入り、次世代の育成に勤めます。それは陶芸にとどまらず、画家としても活躍をみせ、江戸琳派の礎を築き上げたとされています。また栃木の作陶時代で残した作品は佐野乾山と呼ばれ、京都や江戸では「乾山焼」として受け継がれていきました。

それは昭和初期まで続いたといわれるなか、異色の当代として知られているのが、イギリス人の陶芸家「バーナード・リーチ」です。リーチは幼少期に関西で過ごしていたこともあり、日本の文化や芸術を理解していました。母国イギリスの美術学校で基礎を学んだあと再び日本に戻り、乾山焼を受け継いだ6代目・浦野繁吉に師事。約5年間の作陶修行の末、千葉・我孫子に開窯し、後に「七代乾山」の名を許されたといわれています。

現在、乾山焼の正式な継承者は明確でないものの、時空を超えた“乾山ワールド”は健在です。東京都港区にある根津美術館では、兄・光琳との合作展示も開催されています。希少な「向付角皿」を収蔵する東京富士美術館（八王子市）なども有名どころ。2017年には、師弟関係である仁清と乾山のコラボ展が、箱根・岡田美術館で開かれました。さらに近年は、乾山の名品をガチャガチャとして商品化。陶器絵皿コレクションをミニチュアにした現代らしい工夫で、乾山の魅力を伝えています。