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今井俊満について

今井俊満は、1928年に京都府京都市西京区で生まれます。幼少期に大阪市北船場（現在の中央区）に転居し、市内の尋常小学校を経て上京。東京の武蔵高校に入学後は、画家である荻太郎や安井曾太郎らなどに師事し、7年間の学生生活を送ります。卒業から間もなくして第12回新制作派協会展で「道」が入賞を果たすと、2年後には東京藝術大学の美術学部油絵科に入学。派遣学生として1年間の教育を受けます。課程を終えた同年、再び第15回新制作派協会展で「真夜中の結婚」が入賞し、新作家賞も受賞しました。

翌年、俊満は24歳で初の個展を東京日本橋・白木屋画廊にて開きます。同年には洋画の基礎を学ぶために、私費で渡仏しソルボンヌ大学の文学部に留学します。フランスでは美術評論家のサム・フランシスやミシェル・タピエと知り合い、抽象絵画の影響を受けることに。俊満自身もアンフォルメル（抽象表現主義）運動に参加し、同士であるジョルジュ・マチューやジャン・フォートリエと交友を重ねていきました。

5年の滞在を経て一時帰国した俊満は、東京日本橋・高島屋で開催された「世界・今日の美術展」にてフランスのアンフォルメル作家を斡旋。フランスでともに時を過ごしたマチューやフォートリエなど、多くの画家が来日しました。また、同展はアンフォルメルを日本で初めて紹介した展覧会として反響を呼び、俊満が岡本太郎から要請を受けたことでも知られています。その後も日仏の両国間を行き来し、赤を基調とした激烈的な作品で世界の評価を高めていった俊満。1980年代には、それまでの作風を一転させた伝統芸術がテーマの作品を描きはじめます。琳派に見られる伝統絵画を引用し、絢爛豪華かつ装飾性を伴った「花鳥風月」をシリーズ化させ、1985年に同集として刊行し耳目を集めました。

1990年代に入り原爆や性風俗をテーマにした作風に転じ、最晩年の2000年前後には当時の社会現象になった「コギャル」を敢えてシニカルに描いた作品も残します。2018年に放送されたバラエティー番組「開運！なんでも鑑定団」では、今井俊満作品が、依頼主の自己評価額を10倍も上回る2000万円の鑑定結果を記録し話題になりました。