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王沂東について

1955年に山東省蓬莱市に生まれた王沂東。1968年に山東省臨沂市にある中学校に入学すると、1970年には自動車工場で整備士として働きます。勤務する傍ら、工場のポスターやパフォーマンスチームの舞台背景を描きました。1972年の山東美術学校美術学部に入学後、本格的な絵画の勉強をはじめています。1977年には1年間の労働訓練に参加し、翌1978年に中央美術学院の油絵部に入学。西洋画の基礎を固めていきます。

中央美術学院を卒業後は、そのまま同学院で教職の道に就いた沂東。生徒への絵画指導にあたる一方で、創作活動を世界に向けていきます。1984年には、日本で開催された「第10回世界芸術祭」と「第6回アジア美術展」に参加。その際に出品した「農夫母と娘」は、北京美術協会コレクション主催の第6回全国美術展で優秀賞を受賞しています。1985年に中国美術館が主催した第3回全国青少年美術展では、「古代の山村」が副賞を受賞。中国における、現代油彩の新古典主義スタイルを代表する作品として注目を浴びました。1987年にニューヨークのハフナーギャラリーで個展を開くと、沂東の名はアメリカでも知れわたります。1999年には、中央美術学院の教授に就任しました。

沂東は2004年に中央美術学院の教授を辞任すると、北京画院に移籍しプロの画家として活動します。以来、北京芸術アカデミーでの教授を筆頭に、同アート委員会、中国芸術家協会、中国芸術家協会の油絵芸術委員会などの会員を務めることに。北京芸術家協会では副会長に選出されています。現在でも個展はアメリカをはじめ、香港やマカオ、シンガポール、フランス、イタリア、ドイツなど、世界で開催。中国国内においても、沂東の作品は数々の美術展で賞を受賞しています。