埼玉県所沢市の茶道具買取なら我楽洞

埼玉県の南部にある所沢市は、武蔵野台地の中央に位置し、市の南側で東京都に接しています。江戸時代には、所沢から東西南北へ延びる街道の中継地として栄え、1911（明治44）年に、陸軍が日本初の飛行場を設置しました。1934（昭和9）年には、山口貯水池（狭山湖）が完成し、湖畔からの景色など観光名所になりました。1950（昭和25）年に所沢市が誕生し、東京都心への交通の利便性の良さから人口が増加してベッドタウンとして発展しました。

所沢市は、隣接する入間市に次ぐ狭山茶の産地です。所沢市での狭山茶の栽培は、江戸時代前半、川越藩主柳沢吉保の頃に「三富開拓」と呼ばれる新田開発が行われ、農作物の風よけや、隣の土地との境界をはっきりさせるために茶の木を植えたのが始まりとされています。
現在は、市内全域で栽培されていますが、特に北部の富岡地区と西部の三ヶ島地区で栽培面積、収穫量が多くなっています。茶葉の生産者が自ら栽培し（自園）、自ら製造し（製造）、自ら販売する（販売）スタイルをとっており、地元で生産されたものを地元で消費する地産地消や、生産者が栽培から販売まで一貫して行う「第６次産業」の先駆けでもあります。
1973年には「お茶の花」が市の花に選ばれ、1999年からは「ところ茶ん」をイメージキャラクターとして使用しています。

所沢市内にある国指定重要文化財「黄林閣（おうりんかく）」は、実業家で衆議院議員を務めた松永安左衛門（まつながやすざえもん）の別荘であった柳瀬荘の敷地内にあります。『電力の鬼』と呼ばれた松永安左衛門は、福澤諭吉の養子・福澤桃助とともに電気事業を始め、電力会社の経営者として手腕を発揮しました。一時、会社経営から身を引き、柳瀬荘にこもり、「耳庵（じあん）」と号して茶道三昧の日々を過ごしました。戦後、再び第一線に復帰し、電力会社を安定経営に導くことに尽力ました。
松永安左衛門は、益田鈍翁（益田孝）(号は、どんのう)、野崎幻庵（野崎廣太）とともに「小田原三茶人」と称されています。明治時代になって実業家の間で、一時衰退していた茶道を楽しむ風潮が生まれました。中でも『利休以来の大茶人』と評された益田鈍翁が、1906（明治39）年に小田原市に別邸を建てたことをきっかけに、多くの実業家、政治家、軍人が小田原市に居宅や別荘を建て、小田原に近代茶人文化が生まれました。小田原三茶人の由来は、1988（昭和63）年に開かれた特別展がきっかけです。

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