木内省古について
木内省古(きうち しょうこ)は、明治から昭和時代に活躍した木彫工芸家になります。木象嵌が万国博覧会にて最高賞を連続受賞するなど高い評価を得ています。
1882年に東京向島で生まれた木内省古は、幼少期の頃より祖父・木内喜八、父・木内半古の指導を受け、三代にわたる家業の木象嵌、指物、彫刻を学び、竹内久一から彫刻、前田貫業からは上代様の画法などの技術を習います。
22歳の頃より、父・の木内半古の指示で奈良県にある正倉院御物整理掛になり木画などの修理や復元模作に従事しながら、正倉院に伝わる天平文様に触れ美しさに感銘を受けて古来の技術の保存と発展を志すことになります。
1916年には大日本水産工芸協会を設立し、水産材料を工芸に用いるなど独創的な創作活動を意欲的におこなっています。同じ年に朝鮮李王家美術品製作所に招待されて朝鮮に渡り工芸指導をおこなうことになります。
1922年の平和記念東京博覧会では「桐製四季象嵌大鉢」を出品して高い評価を受けることになり、さらに1925年のパリ万国装飾美術工芸博や翌年開催されたフィラデルフィア万国博、1930年のリエージュ万国博で全て最高賞を受賞しました。
1961年に79歳で亡くなりましたが、木内省古さんの代表的な作品「正倉院御物紫壇木画双六局」は、東京国立博物館などに所蔵されています。現在でも数多くの作品が残されており多くのファンを魅了しています。
略歴
1882年 | 東京向島に生まれる |
1916年 | 大日本水産工芸協会を創立 |
1922年 | 平和記念東京博覧会に「桐製四季象嵌大鉢」を出品 |
1925年 | パリ万国装飾美術工芸博に出品した「紫壇木画手筥」が金賞を受賞 |
1926年 | フィラデルフィア万国博覧会にて最高賞を受賞 |
1930年 | リエージュ万国博覧会にて最高賞を受賞 |
1961年 | 死去。享年79歳 |