黒田辰秋について
黒田辰秋(くろだ たつあき)は明治37年に生まれ、昭和の時代に活躍した木漆工芸家です。重要無形文化財「木工芸」の保持者(人間国宝)としても広く知られています。
黒田辰秋は、1904年京都市祇園清井町に塗師屋の六男として生まれ、蒔絵と木工を独学で学びます。20歳のとき、河井寛次郎と知り合い、河井寛次郎や柳宗悦らの民藝運動に加わります。そのときに、李朝木工品や螺鈿器に興味をもちます。民藝運動に影響を受けた黒田辰秋は、1929年に柳宗悦、青田兄弟らと上賀茂民芸協団を設立するが、内部で問題が起こりわずか2年で解散してしまいます。
木漆工芸界での分業制に疑問を持っていた黒田は、素地作りから塗り、加飾までの作業を一貫して自身の手で制作するスタイルを確立しました。
1968年には皇居新宮殿の欅製漆塗りの大飾り棚や扉の把手飾台座の螺鈿などを制作するなど黒田辰秋の作品は高く評価されていました。
1970年に重要無形文化財「木工芸」保持者(人間国宝)に指定され、1971年には紫綬褒章を受章しています。1982年に77歳で亡くなりましたが、黒田辰秋さんの作品は、東京国立近代美術館や京都国立近代美術館などに所蔵されています。現在でも多くの作品が残されておりファンを魅了しています。
略歴
1904年 | 京都市祇園清井町に塗師屋の六男として生まれる |
1924年 | 河井寛次郎や柳宗悦らの民藝運動に加わる |
1927年 | 上賀茂民芸協団を設立 |
1970年 | 重要無形文化財「木工芸」保持者(人間国宝)に認定 |
1971年 | 紫綬褒章を受章 |
1982年 | 死去。享年77歳 |